もうひとつの時間
私たちが日々日常の連続として送っている時間。 でもそれは単に私たち人間の視点から見 ている時間でしかなく、 それと同時に流れる、もうひとつの時間が存在している。 それは 普段私たちの目には入らない場所で、ひっそりと流れている太古から続く ゆっくりとした 時間だ。
人は日常から離れその場所を訪れる時、はじめてその圧倒的な存在を 通してもうひとつの 時間を感じることができる。ほとんど 人の目に触れることなく、計り知れない程の時間が 創り上げた 自然の前では、人はただ感じることしかできないのだ。
それを経験した者はその時の感覚を決して失う事はなく、日常に戻って もふとした瞬間に その時の感覚が甦ることがある。それ は身近にある公園の木々やベランダの鉢植え、道端 に咲く タンポポを見かけたときに、それらの小さな自然の中にも同等の太古 からの流れが 存在している事により敏感に気が付くからだ。
大きな自然と呼応し合い、小さなスケールの中にも同等の強さ、 存在感を持つ身近な自然 を描くことによって、それらの中に流 れるもうひとつの時間を表現できたらと思う。